旅するインタビュー

2016年03月30日 株式会社IGLOOO

どんな働き方、暮らし方

――日本の田舎を世界に届ける!――

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IGLOOOインタビュー:その①より

――先ほど明るい兆しが見えるきっかけがあったとおっしゃっていましたが、それはどのような仕事だったのでしょうか?

小林「具体的には大分県の仕事です。インバウンド業界ははやっていますが、地方自治体では中国や台湾などのアジアがターゲットで、欧米はまだ早いという考えが強いのです。が、大分県は欧米にもっと目を向けるべきだという僕たちの営業方針に理解を示してくれました。また、大分県は観光業界でネームバリューがあるので、そこの仕事をしているのは強みになります。この仕事が始まったのが、去年の七月くらいです。戦略を見直して1ヶ月くらいで決まって、自分たちのやってきたことが間違ってなかったという自信につながりました」

小林「じつは大分もアジア一辺倒の面があったんですが、英語やスペイン語圏などにもチャレンジしてくれました。おかげで、今までアジアだけだった自治体が欧米もやるぞ、という点でちょっとした話題になりました。実際、大分の人たちも訪日客の多様性を重視なさっているんです。というおも、欧米の方は基本的に休暇が長いので、日本に一度来れば滞在期間は3、4週間と長期にわたります。そういう方はじっくりと1カ所に留まってくれるので、本来、観光客としては一番欲しい層なんです。大分県も自分たちの土地の本質をもっと知ってほしいという考えでした。実際に昨年プロモーションを行い、そのレビューをし、高い評価をいただき仕事を継続していただいています」

――会社として、これからの目標はありますか?

小林「二つあり、一つは、今までどおりに欧米向けのマーケティングをやっていきたいです。今は英語、スペイン語、フランス語をやっていますが、これからの目標はドイツ語です」

――ドイツですか? とても意外に思えるのですが……。

小林「じつは、世界的な海外旅行者数はドイツ人が中国に続いて世界二位で、次がアメリカで、ドイツ人は大変旅行好きな国民性なんです。ですが、日本においては単純にドイツ語での情報提供が少なすぎるので、ドイツ語を重視して広げていきたいと考えています。また、もう一つの目標は、地方にたくさん海外の旅行者が増えると、その地方の伝統産業や工芸などが元気になるんじゃないかなと期待しています。そうして、そこから日本のいい面を輸出——つまりアウトバウンドしていけるんじゃないかと。そうした伝統工芸などを海外の方により知っていただき、最終的にはeコマースや日本企業の海外の支援などをやっていきたいです」

――池田さんはいかがでしょうか?

池田「小林のいうとおり、欧米へのインバウンド事業で確固たる地位を築きたい、そのためにドイツ語はマストだと思います。これからの私たちの時代が来ると思っています。訪日インバウンドはアジア、台湾、爆買いだけではないと思います。たとえば、2016年の訪日客が2400万人。一番の観光立国であるフランスは6000万人。ただ、世界遺産の数はフランスとは変わりません。なのに、日本はフランスの3分の1の訪問者数です。2400万人がすごいとそこで満足するのではなく、もっと高い目標を持ってそのためにどんなことができるかを考えながらやっていきたいと思います」

――それでは、グローバルな話はこのあたりにいたしまして、鎌倉の話に移ります(笑)。このオフィスを借りてよかったことはありますか?

小林「さまざまな業種のデザイナーさんやエンジニアさんがいて、横のつながりがあることですね。起業する中で孤独に感じることもあったので、仲間がいる感覚は心強いです。改めてここを選んでよかったと思っています」
池田「鎌倉でシェアオフィスを借りている理由として、sharingというコンセプトと、not centerizedというコンセプトがすごくいいな、と。仕事というと皆、東京に行かなくちゃいけないという価値観があると思いますが、業種によっては——デジタル関係であればその必要もないと体現したいのが一つ。また、sharingについてですが、日本以外の国では大学に入って結婚するまでほとんどの人たちが親許を離れて、room sharingするんです。これは中国もそう。日本では一人暮らしの部屋は多いし、ビジネスホテルもシングルルームが基本ですけど、sharingにはすごくいい面もある。もちろん、プライバシーがすごく大切な人にとってはシェアリングは苦手かもしれないですが、私はsharingを行いsustainability(持続可能性))を上げていこう、東京だけではないというのを体現したいと思っています」

――鎌倉の環境はいかがですか?

小林「気に入っています。僕たち二人が鎌倉にいるときは、割とひんぱんにランチのあとに散歩したりハイキングしたりしちゃうんです。そうするとオンオフのスイッチを入れるのが、上手くいきます。また、観光客相手の仕事なので、観光客の多い鎌倉はそういう意味でも発見があります」
小林「周りに仲間がいて、なおかつ鎌倉という環境に恵まれています。人と環境、これがいいのだと思います。それに、僕たちは出張が多いので固定オフィスは厳しいのですが、月に1,2回しか来られないとしても帰る場所があるのが嬉しいです」

――池田さんはいかがですか?

池田「やはり人と立地ですね。帰る場所のある嬉しさや、ここでできた人間関係も大事ですし、この仕事場にいるとゆっくり仕事をしている感じがします。もちろん、実際には納期に追われた人たちもいるんですけど(笑)。そういうところが水が合っています。いつもノーメイクにジャージとかで来ても許してくれる環境なのがいいですね」

――この仕事場のよくないところとか、改善点してほしいところは?

小林「むしろ、僕たちが電話とかSkypeミーティングしているので僕たちが迷惑をかけているんじゃないかなと」
池田「私はこの環境に満足しているんですけど、海外のシェアオフィスに行くともっとキッチンが大きいんです。海外では、お昼は料理をして皆でコミュニケーションしてランチを楽しむっていうのがあるので、料理も好きなのでキッチンがもっと広いと嬉しいですね」

――このオフィスを借りたことがきっかけでできた仕事、誰かに頼んだことはありますか?

1回、仕事場のメンバーにサイト制作をお願いしました。僕らは自前でwebサービスがいながら開発できる人間がいないので、今までフリーの方に頼んでいたんです。でも、納期がタイトだったので、ここを管理しているANTzに相談に乗っていただき、メンバーを紹介してもらいました。今のところ事例はそれだけですが、今後はサイト改築なども含めてお願いすることが出てくるのではないかと思います」

――このシェアオフィスを借りたことで変わったこととかありますか?

小林「たまに都内とかに仕事で行くとやはりつらいなって感じるので、今は通勤しなくてよくなったので精神的に健康になった気がします(笑)」
池田「海外でしていたライフスタイルをそのまま続けられているのがよかったです。東京で働いていたときのような生活は、もう二度とできないなと思います(笑)。なんであんなにあくせくしていたのかなって思ってしまって。鎌倉に来て、働き方の質がまったく変わりました。この土地でライフスタイルでもっとdown to earthになればいいなと思います」

――最後に、ここをPRしたいということはありますか?

池田「起業してシェアオフィスを借り、旅をしながら仕事をするのを体現しているのが私たちなので、これからはそうした仕事の仕方をする人たちが増えていくのではないかなと思います。このシェアオフィスはまさに『旅する仕事場』なので、そのコンセプトは私たちのやり方に非常に近いのではないかと思います。今はまだ、言葉が通じないから外国人お断りにしているようなお店や宿はたくさんあります。そうしたところをなくし、真の国際化を進めていけたらと思っています」

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